通し矢|京都の三十三間堂で全国の新成人や弓道資格者による弓術大会

「通し矢」とは平安時代末期京都の三十三間堂で始められた弓術のことをさし、新春の1月15日前後の日、「楊枝のお加持」と同日に大的全国大会が行われます。

全国から約2,000人の参加者が集まり、新成人の弓道資格者などたちが晴れ着姿でその技を披露し、とても華やかな雰囲気に包まれます。

新成人による通し矢は1951年から行われ、三十三間堂の冬の伝統行事として親しまれてきました。当日の境内は無料開放されるので、その晴れやかな姿を一目見ようとたくさんの人出で賑わいを見せます。

お祭りの由来&見どころ

大的全国大会では60メートル先にある的を狙い、その技を競い合います。かつてはお堂西縁の南端から120メートルの距離を弓で射通し、的中率を競ったりしていました。特に人気だったのが江戸時代に行われていた「大矢数」と呼ばれるもので、夕方から翌日の同時刻までの間で何本の通るかを競い合うもので、京都の名物行事として親しまれていました。通し矢についての伝承記録が残されている「矢数帳」には、江戸時代の試技者の氏名が記されています。最高記録は当時18歳だった和佐大八郎という人物で、総矢13,053本、通し矢8,133本と、まさに高い的中率を放っていたことが伺えます。しかし明治時代に入ると通し矢はほとんど行われなくなり、大的全国大会に使われている60メートルの競技の形式のものは、正式には通し矢と似ていながらも異なるものになります。

大会の予選では2分間に2度矢を放つことができ、その両方が命中すれば予選クリアとなります。緊張感の張りつめる空気の中で、弓を引く音や矢の射る音がこだまし見物客たちはそれを静かに見守ります。決勝では的を外したものから脱落していき、継続的に的中していく技が要求され優勝者が決められます。

この大会では初段以上の資格を持つ新成人を迎える人たちと、範士や教士などの武道における称号を持つ有称号者の一般部門がそれぞれ腕を競い合います。新成人男子、新成人女子、称号者の3つの部門に分けられて予選が行われ、見事勝ち抜いた者が決勝に進むことができます。参加者の大半の人が一生に一度しか大会に出場できない貴重な機会となり、全国からたくさんの参加者たちが集まります。

https://twitter.com/kyoto__kanko/status/776908513310150656

開催概要

開催日時 毎年1月15日前後
所在地 〒605-0941 京都市東山区三十三間堂廻り町657
アクセス 蓮華王院 三十三間堂
京阪七条駅から徒歩7分
問い合わせ先 075-561-0467

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